パートナーと自分のキャリアのこと
長男の小1を機に時短勤務へ変更し6ヶ月が過ぎようとした頃、少しずつ長男の情緒も安定してきたように見えました。
ただ、私の心は穏やかにはなりませんでした。
「今回に限らず、長い子育てのなか、この先子どもが助けを求める時が必ずある。
その時、親として寄り添うこと。これが果たして、夫婦でフルタイム会社員の働き方のままできるのだろうか?」
と不安に思うようになりました。
同時に、およそ7年間にもなる義母のサポートに頼り切った働き方にも疑問を抱くようになりました。
「手厚いサポートがあったからこそ、キャリアを分断することなくやってこられたけれど、義母のサポートありきの考え方ではなく、
そもそも親である自分たちがまずは働き方を工夫し、子どもたちに寄り添うことがあるべき姿かもしれない。」という思いが芽生えたのです。
でも、働き方を変えることには強い不安と葛藤がありました。
30代後半に入り、同じ会社に勤める同期のパートナーとは、お互い会社の中堅として、仕事の視座を高める重要なキャリアステージにいました。
「社員の成長を促し、組織力の向上を目指す人事の仕事はおもしろく、社内調整や対外折衝も好きだし、ずっと「人」に関わる仕事で会社に貢献したい。」
私のこの思いは第1子、第2子出産のライフイベントを経ても大きく変わることはありませんでした。
上司や同僚・先輩後輩にも恵まれ、私の入社時かなり少数だった女性総合職が、先輩後輩の努力と周囲の理解によってだんだん定着していく風景を人事の立場から見守り支援できることにもやりがいを感じていました。
「お互いキャリアを大事にしたい。でも今のままでは子供たちに寄り添える時間が足りない。どちらか、またはお互いが何かを変えなければいけない。働き方を変えると会社で目標とするキャリアの実現が難しくなるかもしれない。一体どうすれば !?」
と堂々巡りの悩みに頭を抱え、出口のない暗いトンネルへ入っていったのです。